栃木県の政治・経済・文化の中心地であり、「餃子の町」としても有名な宇都宮市。今回は同市への郷土愛がいっぱい詰まった東峰(ひがしみね)保育園をご紹介いたします。
園舎に入り、まず目を引くのが、この地域で採掘される「大谷石」にガラス細工を施した美しい壁。その脇に子供たちが様々な活動をしている写真が並んでいます。
そこには、野菜作りからその調理の様子、ザリガニ捕り、カヤックやシャワークライミング(沢登り)をしているダイナミックなサマーキャンプ、スノーキャンプの光景がズラリ。ほかにも、1本の木に数十匹の甲虫が群がる様子を見に行ったり、益子町のサイクリングイベントに参加して大人顔負けの22キロを力走している様子など、どれも子供たちの感動が溢れています。
「『人生のすべての基本は自然から学んだ』と言われるように、自然の中での活動はとても大切。時には厳しいことも経験させ、物や人と主体的に関わる力やルールが身につくように、少人数制できめ細かな活動をしています」
そう語られるのは野外活動経験の豊富な吉澤偉仁園長先生。25歳で園長となられた際、先代の園長先生より「保育園を大きくするのではなく、保育内容で日本一になる」との思いを受け継がれ、どんなに人気が出ても60名定員を崩さず、子供の為にできる最高の保育を目指して日々実践されています。
「石井方式」の導入は平成25年度から。先生方が毎日子供たちと楽しく漢字かな交じり絵本を音読したり、百玉算盤や時計、都道府県かるたで遊んだりしています。導入初年度から「音読コンクール」団体の部に参加され、絵本のみならず古典も精力的に指導されています。また、立腰教育と音読道徳教科書『日本の美しい 言葉と作法』で躾・道徳教育を始めると、子供たちに変化が見られ、正しい習慣が身についてきたとのこと。
「本物に触れる」ことを重視され、囲碁教室や声楽、絵画教室等は専門家が指導。県総合文化センターでの「幼児とアート作品展」ではクレヨンと水彩で表現された3メートル四方の大作「ジャックと豆の木」(右画像)をはじめ園児の力作が並びました。また、「こどもエコクラブ全国フェスティバル」で表彰されたりと、何事も本格的に取り組まれています。「乳幼児期に手抜きや溺愛をすると、人間としての基礎が出来ない。将来、壁にぶつかってもそれを乗り越え楽しみを見出す力。それには教養が必要であり、教育こそが子供を幸せにする」と仰る園長先生。大人が羨むほど様々な活動ができる元気いっぱいの保育園です。