開邦幼稚園のある沖縄県南風原町(はえばるちょう)は、琉球王国時代に王府のあった首里に隣接していることから文化的な影響を受け、綱曳(つなひき)や獅子舞など多彩な伝統芸能が受け継がれてきました。
園では沖縄県の代表的な伝統芸能であるエイサーを取り入れ、地域とのつながりを大切にされています。
開邦幼稚園は、その前身である『ひなぎく保育園』の頃から石井方式漢字教育に取り組み、40年前から漢字の絵本に親しまれてきました。そのきっかけは玉城節子園長先生が、沖縄県の学力向上のためには、未来を担っていく子供たちに言葉や漢字教育の必要性を感じられたことからです。
園では子供たちが漢字を身近に感じることができるように、保育環境の中で至る所に漢字カードを貼り、子供たちに漢字をより好きになってもらえるように工夫されています。
「子供たちの能力はすごいもので与える漢字はすぐに覚えてしまい、特に複雑な漢字は図形を覚えるように習得していく」と園長先生。
子供たちは3歳、4歳、5歳と年齢が上がると共に、ひらがな・カタカナの読みから書きへ、さらに漢字の読みから書きへと移っていきます。
そして年長さんの最終段階として、日本漢字能力検定の10級に挑戦されています。子供たちは目標ができ、合格という喜びを得るようになったとお伺いしています。ここ数年は99%の合格率を維持し、子供たちは漢字が好きになり、小学校へ進学していきます。その様子を目の当たりにした保護者の方々からは厚い信頼と理解を得られています。今ではその保育方針に共感し、入園される方も多いそうです。
また、知育だけではなく、体力面でも向上できるように、朝のマラソン活動や柔軟体操、体育専門講師による跳び箱や平均台などの指導、師範代による空手も取り入れておられます。また、礼儀作法の面から茶道も取り入れ、多面的に子供たちをサポートされています。
「子供たちは、幼稚園での色々な学習や活動を通して、様々な経験をしていきます。その活動も、子供たちはさせられているのではなく、子供たちの自らやりたい気持ちに満ちあふれています。これからも子供たちのやりたい気持ちに応えていけるよう、日々の保育に邁進していきたいです」
園長先生の幼児教育に対する思いがひしひしと伝わってきました。