日本経済の父 渋沢栄一を学ぶ(2022年11月5日)
コロナ禍により3年連続で中止を余儀なくされた2泊3日の「ぴのきおサマースクール」。その「復活」を希望する声が多く寄せられ、今年は初の日帰りの「校外学習」として、時期も夏から秋にずらして実施することになりました。
今回の学習テーマは、2021年に放送された大河ドラマ『青天を衝け』の主人公であり、2024年には1万円札の顔ともなる渋沢栄一。総勢69名の子供たちが地域ごとに計4グループに分かれ、群馬県からは高崎駅、埼玉県からは川越駅、大宮駅および南浦和駅で電車に乗って、渋沢栄一が実業家としての第一歩を踏み出した東京都北区の王子を目指します。
集合地点は、王子駅に隣接する飛鳥山にある旧渋沢庭園内の渋沢栄一像前。そこに仲間たちが次々と集まってきました。出迎える側、合流する側共に、事前に手元に届いて音読していた学習帳の「校外学習の規則」の一つ、「挨拶は、目を見て元気に自分からします」を実践。元気よく気持ちよい挨拶を交わし合いました。また、お世話になる施設の方々に挨拶をし、感謝の気持ちも言葉に表すことができると、「立派ですね」とお褒めの言葉も。開会式後は入館時刻まで班に分かれて外遊びをしました。
午前中は、渋沢栄一の偉業が年齢別に分かりやすく展示された渋沢史料館、旧渋沢邸のレセプションルームとして大正期に建てられた重要文化財 晩香廬、それに小図書館 青淵文庫の三つの施設を、「渋沢栄一クイズ」の用紙を持って答えを探しながら見学。事前に配布された学習帳で調べてきた子も多く、バッチリ答えられていました。
その後は飛鳥山モノレール アスカルゴに乗車し、女優の倍賞千恵子さんが語る秋の飛鳥山の音声ガイドを聞きながら下山。午後からの学習会場 北とぴあに移動すると、まず17階の展望ロビーへ。目の前に飛び込んできたスカイツリーに驚嘆の声が上がります。学習室に移動したら、皆でお弁当に舌鼓。
そして、いよいよ今回のメインプログラム、講談師の神田京子先生による渋沢栄一特別講談です。子供たちにとって初めての講談であり、講談について楽しく解説していただいた後、「一部の人間だけが幸せではいけない、皆が幸せでなければいけない」と、約500の会社の設立に関わり、約600の社会公共事業に携わった渋沢栄一が、生涯大事にしていた忠恕の心(思いやり)、合本主義、道徳経済合一説を子供たちに分かりやすく語ってくださいました。子供たちは真剣な眼差しで傾聴し、講談の御礼に渋沢栄一も生涯大事にしていた『論語』や『大学』を全員で朗誦発表しました。
学習のまとめでは「渋沢栄一の凄いところは?」「渋沢栄一が貴方を応援しています。何を頑張りますか?」といった質問に、どの子も史料館や神田先生の講談から学んだことを記し、また手を挙げて発表していました。
最後はお楽しみ抽選会で大盛り上がり。解散式後、班の仲間と「また会おうね!」と笑顔でお別れし、それぞれの駅に帰っていきました。天気予報を覆す見事な秋晴れとなり、子供たちも大満足の校外学習となりました。