福岡市内と言っても、自然に恵まれた環境に開園して5年目、定員120名のあゆみらい保育園の周りには、まだ田んぼが残り、園の横には博多湾に注ぐ小さな名柄川が流れています。
こういった環境を活かし、園では体験保育に力を入れられています。近くの田んぼでは田植えから稲刈り、畑では種まきから収穫まで園児がお手伝いし、新米や野菜は給食で食べられます。自分たちが作ったお米は格別の味でしょう。そして、田んぼは稲刈りが終わると子供たちの遊び場に早変わり。訪問した日も、子供たちは器用に切り株を避けながらのびのびと走り回っていました。
玉ノ井園長先生は「保育の原点は優しさに包まれ、児童憲章をもとに、豊かな体験学習ができることです」と話され、更に「その基本は、 初めに言葉ありき です。石井勲先生の研修を受けて、保育現場の経験の下、この言葉に尽きると私自身が実感しました」とおっしゃいました。丁寧な言葉遣いで子供と接し、より良き社会人の基礎を培うべく、礼節をもって挨拶を交わすことを、園児たちに対する基本姿勢にされています。
漢字で教える保育を根底となる方針とし、絵本はもちろん、詩や俳句、論語、生活指導まで保育活動のすべてが漢字を使って指導されていました。それは、園内の掲示物でも実践されています。
年中、年長になると園外活動も多く、出掛ける前は必ず、その目的や交通手段、必要な物、注意することなどを漢字で知らせますので、園外活動で目にする表記も何ら抵抗なく受け入れているとのことでした。目で見て確認、言葉で聞いて更に確認。理解を十分にして、怪我なく、事故なく、周りの状況が分かり、心にゆとりをもって、志高くチャレンジしてほしいと願っておられます。
園長先生は、「日本の季節の移り変わりは変化に富んでいるので、その美しさを味わえるよう、五感と言葉をフル活動できるような保育計画を立てています。恵まれた環境の中、職員の努力により子供たちは、豊かな経験ができるようになってきました。職員はもとより、地域の方々や、ご縁のあった皆様へ感謝しています」と笑顔で話されました。