平成17年に横浜市公立保育所の民間移管を受けて運営を開始、31年4月に幼保連携型認定こども園に移行した「守破離 あきば幼保連携型認定こども園」。運営開始時には定員が69名でしたが、増改築を経て現在は1号認定の子を含む135名と大幅に定員増となりました。小規模保育事業所や横浜保育室(※1)などを卒園する3歳児の受け入れや通園バスの運行など、積極的な運営を行っておられます。
特徴的なのは「バランス感覚を養う運動遊び」。園舎の屋上園庭では園児たちがインラインスケートで遊ぶ姿が見られます。これは、転んでも怪我を起こしにくいアクティブセーフティ(※2)の実践のため。竹馬や一本下駄、一輪車、スラックラインなど平衡感覚を醸成する遊びのバリエーションも豊富です。スキャモンの発達曲線に示されている通り、就学前の児童が身に付けるのに適切な時期の様々な遊びや教育に取り組んでおられる様子がうかがえます。
オリジナル献立の給食は旬の食材を使った和食中心のメニューで、品数も多く園児たちも「大好き」と口をそろえます。日々の給食は、子供たちの食べず嫌いをなくす効果があるとして、保護者の方からも高い評価があるそうです。
「『立腰』と『言葉と作法』に共感したことがきっかけで、平成30年度から『お約束カード』『漢字かな交じり絵本』を、2歳児以上の毎日の日課として実践しています」と園長の日高伸一先生。「階段は右側通ってトントントン」など、お約束カードに書かれている言葉に慣れ親しむことで、園児自らが自分の行動を律する姿も多く見られるようになったとおっしゃいます。5歳児クラスでは、就学を意識した「前向き二人用机」の導入も。「漢字かな交じり絵本はイメージが広がりやすいのでしょうね。今まで以上に物語に集中する子が増えてきているように実感しています」と絵本について語ってくださいました。
平成30年12月開催の発表会では、5歳児クラス全員で「猿蟹合戦」の朗読をしました。「集団で一つの物語を読みあげるその団結力、堂々とした立ち居振る舞いは、観ている者に大きな感動を呼びました。今年『音読コンクール』にチャレンジする原動力にも繋がりました」
また、「『園内研修会コース』を受講したことで、講師の方の的確なアドバイスのおかげで、職員のやる気が高まったように思います。今後は『諺かるた』など様々な教材・手法を用いて、『言葉』を最も効果的に身に付ける時期である乳幼児期の活動を、ますます豊かなものにしていきたいと考えています」ともおっしゃいました。
運動、食、知を兼ね備えた教育を実践されている同園で、子供たちは今日も元気な声を響かせています。
※1 横浜市が独自に設けた基準を満たし、市が認定し助成している認可外保育施設。
※2 転倒などの事故を自分で回避する能力。その能力の育成。