新年度を控えた3月後半から、オンラインによる「春のリモート研修会」を実施。幼児期からの漢字教育の必要性についての嶋田元子先生(素読教室講師/(公財)郷学研修所・安岡正篤記念館 元職員)の講義と、立腰教育についての西山啓子先生(元小学校教員)の講義を園の先生方に配信しました。(主催:幼年国語教育会 後援:株式会社登龍館)
嶋田先生の講義「なぜ幼児期から『漢字教育』が必要か」では、幼児期の漢字教育が心を育てるという石井勲先生の思いが話され、その思いに賛同した数学者・岡潔先生が石井先生に贈られた「漢字は心の珠を磨く道具である」という言葉が紹介されました。また、漢字は意味を表す「表意文字」で幼児にとってはひらがなよりも分かりやすく、勉強と思わずに覚えられるため、石井方式が幼児の特性に適っていると解説。「ヒト」は教育によって「人」となる、言葉の教育が日本人の心を作る、と熱く語られました。
西山先生の講義「立腰教育に取り組んで」では、小学校教員5年目の時に、森信三先生の研修会に参加して立腰を知り、腰骨がグッと伸びる感覚に感動した経験を披露。すぐに学級でも立腰教育を取り入れ、朝3分間の立腰と週1回の学級通信を退職まで継続することができたと話されました。立腰を通して子供たちは自ら主体性の基盤を仲間と共に築いていく意義は大きく、また指導者も人として育てられていると、森先生の教えを述べられました。
受講者が現実の会場に足を運ぶ春の実技指導研修を各地で開催し、絵本や数遊び、『言葉と作法』、漢字かるたなどの指導方法の実践的なトレーニングを実施しました。(主催:株式会社登龍館)
大阪会場の様子を紹介します。
「絵本指導」では、表情豊かに言葉の意味をくみ取って読む「表現読み」がどういうものか、実際にデモンストレーションを行いながら、講師が解説。台詞が引き立つポイントについての解説もあり、その練習も行いました。受講者同志が、他の先生の良いところや、素敵なところをどんどん吸収しているようでした。「お話ししながら素話カードを貼ることは難しいですが、笑顔で楽しく子供を見ることを心掛けて」と講師からアドバイスがありました。
「数遊び指導」では、受講者が先生役と生徒役を交互に体験。中には、園の先輩の指導を見たことはあるが、初めて教材に触れる受講者もおり、講師から、こうすれば子供が見やすい、分かりやすい、というワンポイントアドバイスを受けて、楽しく指導できる方法を学んでいました。受講者全員で学び高め合う雰囲気があり、受講者からは「教材の扱い方や指導の流れを教わることができて良かった」という感想がありました。